最近、カメラ熱が再燃しているラパンアジールの山田です。
#芸術の秋
いま勉強で通っている臨床美術。
講義内容は絵を習うというよりも、感情表現であったり創造性の活性であったりとアート技法というよりも表現するということに軸を置いて学んでいるのですが(もちろん福祉の現場での話もあります!)、ここに来てエフィラージュカットの概念とアート的感覚が妙にリンクしていて臨床美術を学びながらもエフィラージュカットの学びも深まっています。
そこで今日はやや美容師向けにエフィラージュカットについても含め、いま現在の自分が感じている美容師のカット技術の大切な部分をまとめたいと思います。
▼イギリスとフランス
まずは2つのカット流派の違いについて
・ブラントカット=イギリス式(サッスーン)
ヘアデザインごとにマニュアルが細かくあり、マニュアル書にそって学ぶ、教える側も教わる側も共通認識が持てる。皆が同じマニュアルで学ぶので技術の差が無く組織の技術力は基本的に安定し横並びになる。(脱するために個々のブランディングは大きく影響する)
ハサミは複数使用する場合あり、国家試験でも使用される一般的なカット技法(世界的にも普及している)
デザインは構築的で、ジオメトリックなデザインが代表的だが最近は変化してきているように思う
・エフィラージュカット=フランス式(マニアティス)
ハサミの動かし方の8パターンは厳しく指導される。
ヘアデザインのマニュアルは大まかにあるが、個々の感性を尊重する傾向があり、みな横並びのデザインは求められない。
ヘアデザインをファッションの延長として捉え、モード性を追求する
デザインは非構築的で自然なカットの質感(スキバサミでは再現できない)
教育は門を閉ざしており、普及よりも希少性に重きをおいている
▼比較して
どちらの技法が優れているとかではなく、どちらもしっかりと意図と目的がある。
個人的に両方の技術を習得してきた身として、カット技術を分かりやすく理解するのであれば
ブラントカットでカットの構造を理解し、エフィラージュカットに移行という自分がたまたま歩んだプロセスがいいと思う。
アートに置き換えると、
ブラントカット→書き方の基礎(丸の書き方、三角の書き方、道具の使い方、持ち方など)を学ぶ
エフィラージュカット→表現の書き方(感情の表現、抽象画、意図的な違和感)など感性の部分(形ではない)部分の追求
文章だと伝わりにくいかもしれないけど、流派が違うからといって異なることをやっているのではなく、ブラントカットとエフィラージュカットはカットを理解する部分では繋がりがあるなと感じています。
実際のところ、お客様にとってはブラントカットでもエフィラージュカットでも自分の髪が綺麗にまとまればなんでも良くて、ラパンアジールに足を運んでいただいているメンバーさんたちは他のカットよりラパンアジールのカットの方がなんとなく良いと思っているから、通ってくれています。
これは自分で言うのもアホらしいですが、カットの原理原則を研究して髪質にあったカットを提供できているからだと感じています。
そんなこんなで、引き続き感性を磨きながら技術を磨いていこうと思います♬
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